A momently sighet
- MIRAI IGARASHI

- 2021年12月29日
- 読了時間: 4分
更新日:2022年5月21日
この一年自然に考え込み、また目的なく考えなければいけないことが多かった。
それは呼吸をするように、今までもそこにあったようにずっと頭の中から離れなかった。
その思考を、鬱陶しく思えば思うほど気後れしてしまいどうしようもなかったが、同時に自分から離れることを恐れていた。その時は貴方の家を思い出した。そこで私は貴方と話して学び成長し、過ごした日々と偶然に邂逅する。その場所で貴方は声と体温と香りを私に残し、際限なく贈られた愛を感じるのだ。
*下記に掲載している文章は時系列に綴った日記のようなnoteの一部であり、日々変化することが余儀なくされるものである。
note -When you leave it-
夕方に大学に行く予定があり、午前中の新幹線に乗らなければならなかった。
この一週間で祖母の変わり様は常に重く私に伸し掛かかっていた。次会うときは話せないかもしれないと思いながら祖母と家を出る前に会った。
祖母は変わらずいつもの場所に同じように座っているのに何処か翳りを感じずにはいられなかった。祖母と話したことや感じたこと、この記憶を言葉やデータにしても不完全であり表現することは難しいだろう。ただ、祖母の背中と表情は忘れられない。
祖母の背中に顔を預けた時に、触れ合う部分から体温が私に染み込んでくるようだった。
温かいはずの祖母の体温は熱と微かな湿りを持つのに冷たく感じ涙が止まらなかった。
祖母が生きていることを感じながら、何かに押しつぶされ引き離される様だった。それでも祖母の存在を確かめるために身体を預けた。
今の私の身体は祖母を感じ取るためだけに、生まれた身体になっている気がした。
家を出てからの時間はあっという間で、車や新幹線でも泣いていたことしか覚えていない。
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祖母が亡くなった。
祖母の病を告げられた時は余命半年と言われていた。実際は2ヶ月も保たなかった。
毎週東京から帰るようにしていたが、それも回数を重ねることはなかった。
昨日夕方に家に着いた途端に母から言われたのは、祖母に今すぐに会いに行けの一言だった。その一言で状況を理解できないような私ではないため、動揺した。
2週間前まで一緒に買い物をしていた祖母は、呼吸も自力でできない状況だった。目を開けるのにも精一杯で微かな呼吸に合わせ、私の帰りを喜んでくれた。私の受賞と卒業も手振りで喜びを表してくれた。あと数時間の命であることが信じられないと同時に、その空気を感じずにはいられなかった。
祖母は早朝に亡くなったが、この日は時間があっという間だった。
もう二度と会えないことが信じられない。
What suddenly fell there
祖父の死から得たものを卒業制作として形にした。
完成したと同時に祖母の病気が見つかり亡くなった。まるで私が描いた
ものが祖母に乗り移ったように恐ろしく唐突な出来事だった。
私が考える「これから」には必ず祖母がいた。帰省した時、23歳を
迎える時、結婚した時、子供ができた時。しかし、どう足掻いても私の
「これから」に祖母はいないのだ。
祖母が育て生活を共にしてきた庭の草花や木々、作った衣服は主人が
亡くなったことを気づかずに当たり前のようにそこに居た。祖母が手が
けたものは生きており時間の流れと同様にそこに漂よわせ、残された
祖母の生きた証となっていた。誰よりも長くここで暮らした祖母の身体
は時が止まり、ここでは異質な存在となった。その横にずっといた。
祖母を思いながら写真を撮り絵を描いた。祖母に触れた時に染み付いた
ものを生み出すように手を動かした。これからも祖母のことを思い続け
るだろう。だけど、その時点の私が感じる祖母を忘れたくなかった。
そのために絵を描いた。時間の流れ方についてわからないことが多いが、
今の記憶を残すには何か形にしなければならないと感じた。放っておけ
ばやがてどこかへ消えてしまう。その記憶や感情、感覚がどれだけ強く
ても時間の流れによる力には負けてしまう。
これらは既に失われて二度と戻らない情景である。
What you meet when you visit
骨納の日。前日に父と墓掃除した際に祖父の骨が見えた。祖父の姿を見るのは約9年ぶりだった。祖父の姿は綺麗な白色で、9年の歳月を感じさせず時が止まっているようだった。祖母と一緒に過ごすのを待ち遠しくしているようにも感じた。
骨納の最中激しい雨が降った。終えると同時に雨が降り止んだ。その瞬間は無条件に見える景色が美しく愛おしく思えた。



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